第七観測所

SFとかゲームの文章が多め。映画も観ます。

俺と大いなる地平線

12月に入ったところでふと思い返してみると、今年は映画館で7本の映画を観ていた。2か月に1本というペースは映画好きとしてはもちろん少ないのだが、観てよかったと思う作品ばかりだったのだからこれはこれでいいのではないか。

今年は特に『午前10時の映画祭』にお世話になった。一般に『名画』とされる映画は数多くあれど、実際に観たことのある作品はかなり少なかったので。こんな傾向は俺一人ばかりではないのではないかと思う。旧作を映画館で上映するのは興行的にはけっこう厳しいはずで、だからこそ『午前10時の映画祭』も来年で終わってしまうのだろうが、だからこそ残された期間はなるべく名画をスクリーンで観られるこの機会を生かしたいと思う。来年は『ビッグ・ウェンズデー』やってくれないかな。

 

そんなわけで、今日は『ジャイアンツ』を観てきた。ジェームス・ディーンが出演しているぐらいの前情報しか仕入れていなかったのだが、これが予想外に面白かった。20世紀前半のアメリカ西部テキサスを舞台にした、一組の夫婦が主役の大河ドラマといった内容で、3時間ほどの上映時間を長く感じさせない。ストーリー展開もさることながら俺が引き込まれたのは舞台となる西部のスケールの大きさだった。まっすぐにどこまでも続く地平線と荒野、そして大空。どうしても視界に山や海の入る日本とは違うスケールの大きさはアメリカのそして世界の大きさを感じさせて俺を魅了し圧倒した。

 

おそらく実際に足を運び目にすることはないであろうそんな光景に浸れるのも、映画の良さなのだろうと思う。決まった道を決まった時間に歩き、決まった時間に同じようなことをしている身からすると、ちょっと羨ましくもなる。そして映画『ライフ!』の主人公のように、日常を飛び出して冒険の世界に飛び込んでいきたい気分にもなるのだ。

 

まあ、隣の県に出かけるぐらいのときでも部屋の鍵をきちんとかけてきたかが気になってしょうがなくなる性格の俺には、やや難易度が高いかなとは思うが。